シンデレラに玻璃の星冠をⅠ
・結束 煌Side
煌Side
****************
ありえねえ、ありえねえ!!!
櫂が…何でそんな目に遭う!!?
BR002。
かつての俺は、紫堂の実験体だった。
名もなく家族もなく。
殺戮集団たる制裁者(アリス)として機能を果たす為に
藤姫の邪な残虐性を満たす為だけに
俺は作られていた。
緋狭姉に出会い、緋狭姉が制裁者(アリス)を壊滅させても尚、薄れた記憶の中での"実験"場面は憎悪として身体に強く刻み込まれ、それはまるまる"紫堂"に向かう。
俺は紫堂が嫌いだ。
だけど。
――紫堂が、悪かった。
櫂だけは信じられる。
初対面で、取り繕いもせず、横柄な態度もとらず。
ただまっすぐ俺に向けた憂いの含んだ切れ長の目。
俺に殴られても抵抗せず、ただ俺に深く頭を下げた櫂。
9歳そこらの年齢でも、それは屈辱的なことだろう。
櫂が悪い訳じゃねえ。
だけど迷い無く頭を下げ続ける櫂の姿に、俺は…ガキながらも俺と比較にもならねえ器のでかさを感じた。
櫂なら――。
紫堂を変えられると、俺は思った。
別に紫堂など滅んでしまおうが一向に構わないけれど。
だけど櫂が作る紫堂の未来なら、一緒に見てみたいと俺は思ったんだ。
紫堂がどう変わるか、興味を持ったんだ。
俺は櫂という存在に心酔し――
櫂と共に8年間を過ごしてきたんだ。
俺が仕えたいのは紫堂ではなく、櫂というただ1人の人間。
俺にとって紫堂など、愛着はさらさらない。
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ありえねえ、ありえねえ!!!
櫂が…何でそんな目に遭う!!?
BR002。
かつての俺は、紫堂の実験体だった。
名もなく家族もなく。
殺戮集団たる制裁者(アリス)として機能を果たす為に
藤姫の邪な残虐性を満たす為だけに
俺は作られていた。
緋狭姉に出会い、緋狭姉が制裁者(アリス)を壊滅させても尚、薄れた記憶の中での"実験"場面は憎悪として身体に強く刻み込まれ、それはまるまる"紫堂"に向かう。
俺は紫堂が嫌いだ。
だけど。
――紫堂が、悪かった。
櫂だけは信じられる。
初対面で、取り繕いもせず、横柄な態度もとらず。
ただまっすぐ俺に向けた憂いの含んだ切れ長の目。
俺に殴られても抵抗せず、ただ俺に深く頭を下げた櫂。
9歳そこらの年齢でも、それは屈辱的なことだろう。
櫂が悪い訳じゃねえ。
だけど迷い無く頭を下げ続ける櫂の姿に、俺は…ガキながらも俺と比較にもならねえ器のでかさを感じた。
櫂なら――。
紫堂を変えられると、俺は思った。
別に紫堂など滅んでしまおうが一向に構わないけれど。
だけど櫂が作る紫堂の未来なら、一緒に見てみたいと俺は思ったんだ。
紫堂がどう変わるか、興味を持ったんだ。
俺は櫂という存在に心酔し――
櫂と共に8年間を過ごしてきたんだ。
俺が仕えたいのは紫堂ではなく、櫂というただ1人の人間。
俺にとって紫堂など、愛着はさらさらない。