シンデレラに玻璃の星冠をⅠ
芹霞が、俺達の心を叫んだ。
――どんなことがあっても。あたし達が離れないことを、信じなさいッッ!!!
今更、なんだけどよ。
今更、そんなの言葉にされるなんて思ってもなかったけどよ。
ようやく…櫂は反応した。
「煌…俺を殴れ」
「はあ!!!?」
最初…櫂がとち狂ったかと思ったけれど。
お前、俺殺すくらいに真剣に見てるもんな。
燃え滾る切れ長の目。
凍り付いた『気高き獅子』が、目覚めようとしてる。
ありがとよ、櫂。
そんないい場面で、俺を指名してくれて。
じゃあ、お望み通り。
叩き起こしてやるよ、お前の本性。
やられてばかりいるのは、本当のお前じゃねえ。
今までだって、幾度も危機を乗り越えてきただろうが。
「思い切り俺の頬を殴れ!!!」
OK、櫂。
…思い切り行くからな。
俺達を紫堂に返上しようとしたこと、俺達は傷ついたんだ。
俺達全員分の、慰謝料貰うからな?
何より。
櫂が櫂らしくある為に――
「歯――食い縛れ、櫂ッッ!!!」
目覚めろ。
いつものお前に戻れ!!