シンデレラに玻璃の星冠をⅠ
 

「まさか!!!」


声を上げたのは桜で。



「ああ、君は見たのか。当主に駆り出されていたようだし。何だ、此処で吃驚させてあげようと思ってたのに、ラスボスの正体、もうばれちゃってたのか、あはははは~」



駄目だ。


絶対駄目だ。


心臓がどくどく波打つ。


訳が判らない不安だけが膨らんでいく。



「氷皇、やめろ。やめてくれ!!

それだけは本当にやめてくれッツ!!!」



掠れきった声で叫んだのは玲で。


腕に力を込めながら、玲らしくもなく取り乱したように喚いた。



「ああ、そうか。その腕・・・成る程ね。

"あいつ"も本気ってことか。

可哀想だけど、これが現実。

君はこれだけは隠そうとしていたみたいだけれど、残念」



そして氷皇は笑った。



「もうきちゃったよ、そこに」




そして指をさす。




ああ――




何てことだよ。



あんたが敵に回るのか?



嘘だろう?


何でだよ!!!




「いらっしゃい――



――…アカ」





緋狭姉…。
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