シンデレラに玻璃の星冠をⅠ
 

「団長なら…櫂様を守れる。

ならば、私達に指示頂きたいのです。

どんな命令があろうと、必ず櫂様に攻撃はせぬように、守るようにと!!」


私は――


「櫂様は昔…ただの使い捨ての警護団の私達に、優しい声をかけて下さいました。

私達にとって雲上人であるのに、労(ねぎら)いの言葉をかけて下さいました。

それだけで、私達は――。

団長、私達は…私は、一切動けぬのです!!!」


見誤っていたのだろうか。


「紫堂の"権力"に雁字搦めになりすぎて、団長のような意志を貫けない。ならば!!! 強い団長がいて下されば!!! 私達は…櫂様を傷つけずに済む!!」


だけど、私は。


「私は、常に櫂様と共にある。

一時たりとも、演技であっても、櫂様の敵にはなるつもりはない」


私の心は、櫂様に絶対服従だ。


仮でも、櫂様を裏切れない。


裏切りたくはない。
< 534 / 1,192 >

この作品をシェア

pagetop