シンデレラに玻璃の星冠をⅠ
私は――
苦しむ玲様に…この瓶の中身を飲ませたというのか?
夢だと思っていたことは現実だと?
ああだけど。
その後の現実で目覚めた私は、離れた場所から玲様の元に行ったのだ、芹霞さん達と。
判らない。
私は、本当に玲様にこれを飲ませたのだろうか。
そうしたら玲様は。
これから、あの苦しみ以上の悪夢に苛まれると!!?
私は。
夢だと思ったから!!!
「おい、葉山? 君、何か震えてないか!!?」
遠坂由香が私の顔を覗き込んで。
もしも、現実に飲ませてしまったのだとしたら。
私はその責任故に…
もっとこの薬を調達しなくては。
薬を抜くには2週間かかるのなら、今私達にはその時間はない。
今、玲様が抜けられては…櫂様の精神上においても駄目だ。
あるだろうか、まだ。
神崎家に――。
緋狭様からいつも手渡しされていたあの場所を探してみよう。
緋狭様が敵になったのなら、私は自力でこの薬を見つけねばならない。
何としても。
櫂様を、玲様を守らねば。
そう――思った。