シンデレラに玻璃の星冠をⅠ
「さて…話を戻すが、どうやって親父の口を割らせるか、だな。一歩間違えれば大惨事だ。俺にとっても、紫堂にとっても」
櫂様は、険しい顔をして溜息をついた。
「……僕は引き続き、"サンドリオン"を洗ってみる。噂が一定していないから、共通項をまとめてみたい。桜、引き続いて櫂の護衛と、僕の手伝いをして貰うからね?」
私は頷いた。
「俺は?」
煌の声に、櫂様は苦笑した。
「お前…忘れているな。明日のこと」
「は!?」
「煌…、芹霞からのメールで、見たはずだよね?
"数学の追試テスト。受けねば留年がやばい"」
「はあああ!? 何でそれ俺も対象!!?」
見てなかったんだ、この馬鹿蜜柑。
「前の数学の小テスト。お前…『-35点』だったよな?」
「そ、それは…。だってZodiacが…」
「どうして0点以下になりえるのかな、煌?」
にっこり。
「!!? そ、それは俺の勝手だろ!!?」
「そうか、勝手…か。芹霞と僕との"おでかけ"賭けたテストでは、70点取っていたのにね。どうして0点以下なんだろうね?」
にっこり。
「ふふふ。
"呪!!!"
"殺!!!"
"死!!!"
それでなくても記憶の蓄積期間が短くて、あの時の知識量無くして正解が少なかった上に、そんなもの余白に沢山書いて、1つにつき1点ずつ減点されたら…なくなっちゃうよね、点数」