シンデレラに玻璃の星冠をⅠ
 
藍色の瞳と、それより深い色合いの青い髪。


年齢不詳の彼は…胡散臭い笑いを顔に貼り付けていた。


ある少女にだけ呼ばせている彼の名は、瀬良蒼生(セラアオイ)。


日本を牛耳る元老院の1員であり、それに仕える五皇(ゴオウ)が1人。


「な、何でお前が!!?」


橙色の少年が、漆黒の少年の前に立ち、威嚇する。


「何考えてるんだよ、

――氷皇(ヒョウオウ)!!?」


多くの男達に有効な…橙色の少年の凄んだ顔は、この青い男には一切効果なく、逆に余裕綽々とした笑いを見せる。



「あははははは~。聞くって言うことは、聞く気があるってことだよね~。じゃあ言っちゃうよ~、あのね~」


「待て待て!! 言わなくてもいい、そのまま黙って帰れ!!」


「ワンワン、遅いよ~? ねえ、この家ってさ、4LDK2軒分を合わせて、7LDKの大邸宅に改修してたよね?」


返答がないのを返事と解した青い男は、


「カイクン、レイクン、サクラチャン。たまにワンワン、芹霞(セリカ)ちゃん、由香チャンのお泊り考えれば、ほうら1つ部屋が空く」


ごくん。


少年達の唾の飲み込む音が大きく響いた。


「まさかと思うけれど…」


白皙の青年が、躊躇いがちに運送屋を指差した。


『ブルーアイス』。


青い氷。


即ち全てが彼の手の中。


その意味する処は――




「正解!!!


今日から俺は――


この家にお世話になります~」





「「「「は!!?」」」」
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