シンデレラに玻璃の星冠をⅠ
「開け八門の陣!!!」
櫂様の声に伴い、突如炎の景色が薄れて。
「八門の符呪? 朱貴の奴か…余計なことを」
そんな久涅の舌打ちの声と、金翅鳥(ガルーダ)の吐いた炎が私達に向かってくるのと、私達が八門の景色に取り込まれるのがほぼ同時で。
間一髪。
ぎりぎりの処で――
私達は炎の攻撃から生き延びたことを知る。
誰もが口を開かない。
燃えた神崎家。
――ならばかつての師匠である私から、見事な死を与えましょう。
向けられた殺気。
私達を救い続けた神崎緋狭は、神崎家と共に燃え尽きたのか。
だとしたら。
今度相見えるのは――
最強と名高い五皇として。
五皇が1人を敵として戦うのだと。
次こそは"逃がす"ことはしないだろうと。
誰もがそんな予感を…感じ取っていた。