シンデレラに玻璃の星冠をⅠ
 

「悩んでいるのは俺なのに、何でお前がそんな罪悪感感じた顔よ?」


突然片頬をひっぱられた。


「ごめんなひゃい」


俯いたら、もう片方もひっぱられた。


「何でお前が謝る」


「ごめんなひゃい」


謝って済む問題じゃないかも知れないけれど、だけどせめて今。


因果律の先で、真剣に深刻に思い悩む煌に謝罪したくて。


「芹霞」


「ごめんなひゃい」


「芹霞!!!」


「ごめんな…」




「……ああ、もうッッ!!!


俺は、謝らねえからな!!!」




そんな声と共に、頬の両手が後頭部に回され、煌があたしに…覆い被さるようにして、唇を奪った。



「~~!!!?」


それはあたしを黙らせるような強いものであったのに、微かに煌が震えているのが感じた。


いつもの…情欲に身を任せたようなものとは違い、救いを求めているような…そんな煌に。



――お父さん、お母さんッッ!!?



あたしは目を瞑り――


そろそろと手を伸して、煌の…橙色の髪の毛に手を埋めた。
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