シンデレラに玻璃の星冠をⅠ
「次は…何だこれは。人の名前…ばかり」
「寄付金…? 入会日って……師匠これ…」
鳶色の目が細められる。
「ああ、間違いないね。上岐物産社長も上岐妙も。ここの学園長もいる。これは…黄幡会の信者だね。だけど…おかしいな。同姓同名かな」
「どうした?」
「ん……。いや、裏付け取らないと何とも言えないけれど、ちょっと待って、今度のリストは…」
その時だった。
「きゃああああああ!!!」
それは女の悲鳴で。
「神崎の声ではないね」
「どうして…真夜中の桜華の敷地で悲鳴が聞こえる?」
「この理事室は…中庭の裏側にあたるよね。声は…その方向から聞こえた気がする」
遠坂が窓に走り、その窓を開けた。
冷たい風が入り込んでくる。
「真っ暗で見えないや」
玲が遠坂の横について、同じように下を眺めているようだ。
「ん……? 今…なんか動かなかったか?」
玲の声に、俺も窓を見下ろした。