シンデレラに玻璃の星冠をⅠ


薬の在処を知る緋狭様は、紅皇となって敵になることを宣言された。


次回会う時は、交戦の最中だろう。


そんな中での薬は望めない。


ああ、玲様の薬はどうすれば?


緋狭様は私に何を飲ませたと言うんだ?


緋狭様のお心は判らない。


判ることが在るとすれば…緋狭様も"何か"によって縛られていると言うこと。


緋狭様がわざわざ見せた私的な烙印。


あのタイミングで見せたということは、それに関係する何かが起こっているということなのだろう。


しかし緋狭様が述べられたのは、



――これがある限り、私はどこまでも五皇だ。



"五皇"


それに関連するモノだと言ったのだ。



そして。



――夢と現の境を、自らの意志でつけよ。


――つけられねば、私みたいに囚われる。



緋狭様が敵に回られたのは――


あの烙印が関係しているのか?



悍(おぞま)しい…魔方陣のような?



黄の印。



そう緋狭様は、言ったけれど。

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