シンデレラに玻璃の星冠をⅠ
「複数の…鳴き声だな。ここからそんなに離れてねえ距離だ。しっかしすげえ怯え方だな。何かあるのかな、ただの犬同士の喧嘩ではなさそうだけど」
だから、どうして判る!!?
いつも私の苛立ちは判らない癖して!!
そう目を細めた時。
ぴぎゃあああああああ!!!
そうとしか表現出来ない――
あまりに奇妙すぎる擬音。
耳の鼓膜を貫くような、"大絶叫"が聞こえた。
「何だ!!?」
煌はなまじ耳もいいだけに、私以上のダメージが大きかったらしい。
ふらつく身体を耐え、苦しそうに唸り声を上げる。
ぴぎゃあああああああ!!!
「まだ…続くのか、この声!!! 煌…これは犬の鳴き声か?」
私は、顔を歪めて大きい声で聞いてみる。
こんな男に意見を求めたくはないけれど、犬のコトは犬に聞くしかない。
「犬のわけねえだろ、こんな声出すのなんて人間でもねえ!! あれだ、あれ。エイリアン!!!」
…聞かねばよかった。