シンデレラに玻璃の星冠をⅠ
ぴぎゃあああああああ!!!
「しかし…よく続くよな、この声。肺活量どれ程よ? 掠れもせず、一定音量のまま。ああああ…あれ見習ったら、俺カラオケで100点出せるかな」
私は――
「黙りやがれ、馬鹿犬ッッ!!!
100点出すなら、桐夏のテストにしろッッッ!!
この…マイナス駄犬がッッッ!!!」
ぴぎゃあああああああ!!!
しかし私の声も、掻き消されてしまうようで。
「ああ、もうっ!!!
ぴぎゃあぴぎゃあ、うるせえんだよ、何体生まれてやがるんだよ!!? 地球でも征服する気か!!?」
ああ、誰か。
この馬鹿の妄想と共に、馬鹿自体を宇宙の外に放り捨ててきて貰いたい。
「おっ!!? 止まった?」
声がするのも突然なら、終わるのも突然で。
何事もなかったかのように、しんと静まり返っている。
恐らく――
時間にして2.3分。
しかし私の感覚では何時間も、不快この上ない大絶叫を聞かされ続けていたように思う。
…野犬の声もしなくなった。
元の静寂。