シンデレラに玻璃の星冠をⅠ
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「――玲。そろそろ…始めるぞ」
櫂が声を発した。
「上岐妙を此処に連れろ。
今の意識がイチルなのか上岐妙なのか。
尋問の…始まりだ」
櫂が、不敵に笑った。
櫂は…追い詰められれば、不敵に構える。
それを見ればこそ、僕達は"大丈夫"だって安心出来るんだ。
櫂が惑っていないから大丈夫。
櫂がいるから大丈夫。
そう。
櫂こそが、僕達の希望で。
「ああ、気絶しちゃったか」
赴いた先のカーテンの奥では、短い青光を放電させながら、上岐妙ががくんと項垂れていた。
僕は背中に手刀をあてた。
すると咳払いをして、その顔は垂直に上げられて。
「王子様!!!」
これは上岐妙の意識なんだろう。
僕の癇に障る。