シンデレラに玻璃の星冠をⅠ
 


そして櫂はつかつかと上岐妙…であった女の元に近付き、



「煌、この前髪を、目が見える長さにまで切れ」



そう指示をして。


煌が訝りながらも顕現した偃月刀で、顔にかかっていた前髪を薙ぎ払う。



「うおっ!! 目が開いてた!!!」



目を瞑っているかと思っていたが、


"彼女"は驚愕に目を見開いていて。



気絶できない…ああ、痙攣しているだけなのか。



それ程の…ショックだったのか!!?



「これ!!!!」



芹霞が指を指して。



それは片目だけが碧眼。


僕は…黄幡会において、マスターと呼ばれた男を思い出した。



櫂は少し目を瞑って考え込み、やがて芹霞に言った。




「夜が明けたらでいい。


携帯で此処に呼び出して…俺と引き合わせろ」



「へ!!!?」



「黄幡計都。


一縷の義兄だ」



そして、また考え込んだ。


< 689 / 1,192 >

この作品をシェア

pagetop