シンデレラに玻璃の星冠をⅠ
そして櫂はつかつかと上岐妙…であった女の元に近付き、
「煌、この前髪を、目が見える長さにまで切れ」
そう指示をして。
煌が訝りながらも顕現した偃月刀で、顔にかかっていた前髪を薙ぎ払う。
「うおっ!! 目が開いてた!!!」
目を瞑っているかと思っていたが、
"彼女"は驚愕に目を見開いていて。
気絶できない…ああ、痙攣しているだけなのか。
それ程の…ショックだったのか!!?
「これ!!!!」
芹霞が指を指して。
それは片目だけが碧眼。
僕は…黄幡会において、マスターと呼ばれた男を思い出した。
櫂は少し目を瞑って考え込み、やがて芹霞に言った。
「夜が明けたらでいい。
携帯で此処に呼び出して…俺と引き合わせろ」
「へ!!!?」
「黄幡計都。
一縷の義兄だ」
そして、また考え込んだ。