シンデレラに玻璃の星冠をⅠ
世の皆様に問いたい。
これだけで、事態が判るでしょうか?
まるで判らないのは、あたしが馬鹿だからでしょうか。
そんな中…口を開いたのは、参謀の玲くん。
「時系列が…違うのか?」
さすがは聡い玲くん。
まるで、馬鹿な人間の頭にはヒントにすらならないや。
ああ、もう…半分自棄になってきたよ。
「お前がそこまで断定するということは…そう言い切れる"特徴"があるということか? 何で判る?」
「偶然さ。偶然…思い出したんだ。"イチル"を」
何と。
櫂様は、イチルさんとお知り合いのようです。
拍手~。
「10年前。俺と"イチル"は出会っている。
――…芹霞も、な」
はい。
そして何とこの私めも…
「えええええ!!?」
あたしは思わず声を上げた。
「あたしがイチルと!!?」
櫂は口元で笑う。
「本当は…思い出さなくてもいい…過去だがな」
――芹霞ちゃあああん!!!