シンデレラに玻璃の星冠をⅠ
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気付けば何だかうとうとしていたみたいで…ベッドの上に寝かされていた。
カーテンから漏れる明るさで、明け方にはなったのだろうか。
そろりと部屋を覘くと、由香ちゃんは突っ伏して寝ていて、煌も寝ていた。
玲くんだけがカタカタパソコンを動かしていて、櫂と桜ちゃんがいない。
「…あ、ごめん…煩かった?」
玲くんがあたしに気付いて、慌てた声を出す。
「ううん、ただ起きただけ…。ううっ何か寒いね」
すると玲くんは、微笑みながら…コーヒーを入れてくれた。
例のハワイコナだ。
ずずずと飲むと…温かくておいしい。
玲くんは何も言わなくても、砂糖入りのカフェオレにしてくれるから、紅茶好きのあたしでも、いつもいつもおいしいと思う。
気付けば玲くんと目が合った。
「……?」
何か言いたそうな、寂しげな眼差し。
「どうしたの、玲くん?」
玲くんは儚げな顔を伏せてしまった。
「玲くん?」
近くに行って、その顔を覗き込むと、長い腕が伸びてきて…あたしを彼の膝の上にぽんと載せた。
後ろ向き状態で…後ろから伸びてくる手。
ああ、温かい。
「芹霞……ごめんね…?」
震える声が、耳に届いた。