シンデレラに玻璃の星冠をⅠ
「泣かせてしまって…ごめんね…」
玲くん…気にしていたんだ。
「僕が弱いから…君まで…」
懺悔のような吐息。
「僕…挽回できるように…頑張るから。
だから…行かないで…?」
「行くって何処に?」
「……櫂の処」
どくん。
「櫂のって…」
「櫂のものにならないで」
どくん。
「僕の知らない記憶を…これ以上持たないで。
僕だけが知る思い出が…欲しいよ。
駄目…?
僕じゃ…駄目?」
「玲くん……?」
何か…怯えているようで。
「芹霞…聞こえる?
僕の心臓の音……」
どくどく、どくどく…。
早い。
凄く早い。
「玲くん発作「君への想いだ」
どくどく、どくどく…。