シンデレラに玻璃の星冠をⅠ
「苦しいよ…ねえ、芹霞。
僕の心を受け止めてよ。
ねえ…これ以上…見せつけないで」
「どうしたの、玲くん。何かおかしいよ?」
「……おかしい…? 君が欲しいと思う僕は…おかしい?」
そしてくるりと向きを変えられる。
乱れた前髪の中から、鳶色の瞳が見える。
いつもの優しいものではなく…哀しくて…心に痛い瞳で。
「好き…なんだ…」
そしてあたしの両肩を掴んで、俯いた。
「冗談じゃなく…
半端じゃなく…」
そして顔が上げられる。
「僕は――
紫堂玲は――
神崎芹霞が好きです」
真っ直ぐの…鳶色の瞳。
熱の籠もったような…掠れた声。
掴まれた肩に、玲くんの震えが感じられた。