シンデレラに玻璃の星冠をⅠ

どうしたの、いきなり。


どうしたの、突然?


確かに仲直りはまだしていなかったけれど…どうして玲くん、こんなに必死なの…?


玲くん…



「傷ついている…?」


「……」


「何かあったの、あたしが寝ている間」


そうとしか思えなくて。


「ねえ…櫂がいないのはどうして?」


「……芹霞」


「どうして櫂がいないの!!?」


声を荒げたあたしに、玲くんはきゅっと口を結ぶとあたしを抱きしめる。


「大丈夫、櫂はいる。今、外の空気吸っているだけだから」


「じゃあ…どうして玲くん…」


「伝えたいだけだ…。

こんな時には…」


なんでそんなに哀しい声なの?


ねえ玲くん。


あたしまで涙出てきたよ。


「芹霞…。

君の…心が欲しい…」



玲くんが目を閉じ顔を傾けた。

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