シンデレラに玻璃の星冠をⅠ
そんな男に誰もが味方して、力を貸しているこの現況。
――これより紅皇は、お前達の敵となる。
五皇まで敵に回り、俺は…無事ですむはずはない。
氷皇が呈示した"ゲーム"は、
次期当主という肩書きと共に…芹霞の行く末もかかっている。
今のこの惨めな立場の未来が確定し、更に芹霞が居なくなったら。
あの男にお前がとられるなら。
どんな抵抗も、あの男に無に還されるというのなら。
それくらいなら俺は。
――お前は…僕を馬鹿にしているのか!!! 何で信じないんだ!!?
――玲の言う通りだ!!! 何でそんな結論になるんだよ!!? お前らしくねえじゃないかッッ!!!
玲、煌。
これはお前達をも守るものだ。
お前達も…奪われたくない俺は、貪欲の権化。
だからこそ――
俺は、"切り札"に頼るしかないんだ。
全てを逆転させるか、無に還すか。
0%か100%か、2つに1つの危なすぎる手段に頼るしか。
その前に――。
俺の心がぐらつく前に。
少しでも…芹霞と話していたい。
そう思うのは――
俺が臆病だから。
――芹霞ちゃあああん。
あの時と同じ、俺は変わっていない。
俺の想いも…変わっていない。