シンデレラに玻璃の星冠をⅠ
「なあ…芹霞。
俺が…
俺がもしも――…」
口が、続きを言えない。
俺の想いが、先を許さない。
俺は…振り切った。
「もしも。
俺の切り札が、失敗に終わったら。
もうお前に…何も言えなくなる前に」
俺は…笑った。
「お前を…
誰よりも幸せにしたかった」
震える声が、風に乗る。
冷たい風が…俺と芹霞の間を通り抜ける。
「本当に…そう思っていた。
12年間ずっと。
俺が…幸せにしたかった」
12年間分の想いを吐き出すように。
静かに――
深く――。