シンデレラに玻璃の星冠をⅠ
「あたしは櫂を信じている」
俺の言葉が、聞こえたのかどうかは判らない。
向けられたのは…俺の心を縛り付ける魅惑的な瞳。
「櫂は必ず生き抜いて、勝ってみせるって」
12年間、縛られ続けてきた…俺の瞳。
「…俺を信じてくれるのか?」
駄目だ。
俺はまた、未来に希望を繋げようとしている。
芹霞を縛り付けようとしている。
覚悟が…揺らぐ。
ああ、だけど――
「どんなことになろうとも…信じ続けられるか?」
強く深く頷いた。
目頭が熱くなり…誤魔化すように再び旭日をみた。
光源の先には無限に土地が繋がっている。
此処で世界は終わらない。
終わってしまう世界などない。
「必ず…戻るから」
俺は誓った。
「お前の元に」
誓いこそが、100%に賭ける夢。
俺には言霊を操る力はないけれど。
俺の全身全霊を込めるから。