シンデレラに玻璃の星冠をⅠ


「何言ってるんだよ、玲!!!」



俺は玲の胸倉を掴んで怒鳴った。



「お前まで、おかしなこと言い出すなッッ!!!」


そしてゆさゆさと玲を前後に身体を揺らす。


「芹霞や俺達に、壊れた姿を見せたくないなら、お前が最後まで何とかしろ!!! お前が、壊れないように強くいろよッッ!!!」


俺は、そんな哀しい約束はしたくねえ。


「お前!!! 櫂からあんな約束させられた気持ち、判るだろうがッッ!!! 俺は、お前からまでそんな重いもの、受け取るつもりねえからな!!!」



玲は――

覚悟している。



櫂同様…この先にあるものが、見えているというのか。


何だよ。


あの一縷だか上岐妙だかいう女の為に、玲を狂わせてたまるかっていうんだよ!!!


こんなはずじゃねえだろ。


俺達は単に、あの女を"安心"させて、時間までに横須賀に行けばいいだけなのに。


どうして、皆ここまで追い詰められているんだ!!?


ああ、身体の中の"もやもや"が蠢(うごめ)く。


そんな時、だった。


部屋がパアッと明るくなったのは。
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