シンデレラに玻璃の星冠をⅠ
「……日が…昇ったね」
遠坂が、窓から差込む曙光に目を細めて言った。
「玲。必ず、光はある。
日は昇る。
だから…
――諦めるな」
それしか言えないけれど。
「諦めるな…か。
よく…緋狭さんに言われたよ…?」
そう言って、儚げに微笑んだ。
俺達は暫く窓の中の…旭日を見ていた。
何処までも明るく照らす光。
必ず明日はくる。
明日もきっと、皆で迎えられる。
何だか…泣きたくなる程、綺麗な赤い太陽だった。
これは吉兆。
俺達の未来。
そう、願いを託して、光を浴び続けた。
そんな俺達に――…
言葉を発したのは遠坂。
「穏やか…すぎないか?」
それは危殆を孕む言葉で。