シンデレラに玻璃の星冠をⅠ
「あれ…煌と由香ちゃんは?」
「由香ちゃんは…多分保健室に残っている。煌は…見掛けてないね、桜は見た?」
私はすっと頭を下げた。
「あの愚鈍な男、桜が回収しに参ります。櫂様方は…第二保健室へ」
そして私は、煌探索に校舎を回る。
主を置いて、同じ部下を捜すなど…愚の骨頂だ。
何で私はいつも、あの男の回収にまわってばかりいるのだろう。
何で成長がないんだ、あの男!!!
だけど。
不思議と私は、私が煌を見つけねばならないような予感がしていた。
何故だか判らないけれど。
その時、結界の流れがぷつっと途切れた部分を感じて、私は慌てて糸を確かめた。
「――!!!
糸が切れてるッッ!!!」
私の…裂岩糸が、また引き千切られていた。
先刻までは異常がないということを確認していたはずなのに!!!
こんな短時間で…!!!
これならば、結界が弱まったこの部分から…屍が雪崩れ込んできてしまうじゃないか!!!
慌てて結界を修復する。
誰だ!!?
結界を妨げ、符呪を無効化させたのは。
どうしてまた、私はそれに気付かなかった!!?
「!!!?」
そんな時、橙色を視界に捉えた。