シンデレラに玻璃の星冠をⅠ
「俺は櫂や玲、芹霞を守りたいんだ。
まだ…大丈夫だから…!!」
蠢くものは…
「うがっ……」
また小さいけれど、
だけどそれはまさしく…
「は、はは。
まさか…"むかむか"がこれとはな…」
そして手の甲で口を拭いながら、真剣な顔で私に縋った。
「桜…俺、やれる処までやるから。
まだ…殺らないでくれ。
頼む…。
櫂と約束したんだ。
玲も…俺、守ってやらないと。
芹霞だって!!!
今は見逃してくれ、桜。
俺の動きがおかしいと感じたら。
その時は、頼むから――!!!」
真っ青な顔をして、だけど髪は鮮やかな橙色。
強面の顔をして、そんな盛大に涙流すな、馬鹿犬。
情けなくて…
泣けて…くるじゃないか。