シンデレラに玻璃の星冠をⅠ
「最期の面倒は…見てやる。
だから…隠せよ。
絶対、櫂様や玲様…芹霞さんに悟られるな!!!」
私は――
それしか言えなくて。
「さんきゅ」
縋るように、倒れるように、私の肩にもたれ掛ってきた煌。
小心者のこの男。
体内から出たコレに、さぞかし不安でたまらないくせして。
見ている私でさえ気持ち悪いのに。
「俺は、お前のそういう…面倒見いいトコ好きだ」
「私は嫌いだ」
だけど煌は笑う。
どこまでも笑う。
余裕ぶりながら、小刻みに震えて。
「OK。少し落ち着いてきた。櫂達のトコ行こう。
外界は…すげえことになっている」
煌を仲間だと思えばこそ。
結界力を強化した要塞の中で、煌の存在を許した私。
情けをかけたその結果が、
吉と出るか凶とでるのか――
私には、判らなかった。
判りたくもなかった。