シンデレラに玻璃の星冠をⅠ
 
きっと――

不安なんだ。


きっと…櫂が気弱になっているから。

死を予感させるようなことを言い出すから。


不安が伝染している。


だから玲くんはこんなに、あたしの愛を求めるんだ。


そう――思った。


だったら、それは恋愛感情ではないんだろう。



寂しいから。


不安だから。



「玲くんは…消えないよ?」



――うあああああああ!!!



「大丈夫だよ?」


そう笑ったら、玲くんは静かに顔を上げ、



「消えたく…ないよ。


君を…好きでいたい…」



悲壮感漂う顔で、あたしを真正面から抱きしめた。



「判ってるよ…こんなことやってる暇などないこと。

だけど…何だか、今しかない気がして。


きっとこれからは…

伝えられない気がするから…」



何て…悲しすぎることを。
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