シンデレラに玻璃の星冠をⅠ


俺は。


芹霞。


芹霞。



お前が欲しいって。


欲しくてたまらないって。



望んだ後、俺が死んでいたなんて…ありえねえだろ?


夢でもなんでも、そんなオチ…あるわけねえだろ?



そんな…絶望的な結末、ありえねえだろ?



「――…うがっ」



七瀬の豚汁は身に染みて。


身体全体が拒絶した。


俺の中に巣くっているかもしれないという不安があるのに、同じものを飲み込められるはずがなく。


誰かが俺の異変に気付いて、俺を排除しようとする前に、俺は部屋から飛び出たんだ。


俺は…排除されるわけにはいかねえんだ。


俺はすべきことがあるから。


芹霞。


櫂。


玲。



俺だけしか出来ねえ、そんな役目…あるだろう?
< 784 / 1,192 >

この作品をシェア

pagetop