シンデレラに玻璃の星冠をⅠ
玲に言われたような哀しい任務ではなく。
幼馴染だから出来る櫂の立て直しとか、
ああ、あのサナギを破壊出来るのが俺だけだとしたら。
俺はまだ、使い途あるだろう?
「……うがっ!!!」
ああ――
どうして俺から、まだこんなものが出るんだよ。
俺、七瀬の料理喰ってねえのに。
何で動くんだよ。
何で俺だけ。
何で。
何で。
「――煌ッッ!!!」
怒鳴るような声。
「桜……」
もう俺は、何度も何度も桜に情けねえ姿見せている。
桜はもう見たくはないだろうけれど。
俺だって見せたくはねえけれど。
だけど、そういう時に限っているのは桜だ。
そして桜は悟るのも早い。
だから…俺の末期は桜に託した。
桜にとっちゃ、いい迷惑かも知れねえけれど。
だけど、桜なら…決行してくれるはずだから。
迷いある俺を、容赦なく…切り裂いてくれるだろうから。
「――てめえ…
なんていう面してやがんだよッッッ!!!」
こんな時でも桜は桜で。
よりによってむかむかが止まらねえ胸部蹴り飛ばすなんて。
ああ――
「うがっ…」
また見られてしまったじゃねえか。