シンデレラに玻璃の星冠をⅠ
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情けねえ!!!
本当に自分が不甲斐ない!!!
『次は~渋谷~、渋谷~』
山手線のアナウンスが流れれば、さらに一段と深く俺の頭は垂れる。
「もっと楽しい顔してよ~、辛気臭い~」
逆に芹霞は満面の笑みで、繋いだままの手を目の前でぶんぶんと大きく前後に振った。
所詮――
こいつにとって、俺との"恋人繋ぎ"なんてそんな程度。
園児の遠足のようなもの。
玲。
お前、何慣らせてやがんだよ!!!
俺勇気出したのに!!
ああホント、どいつもこいつも!!!
「ちょろいな~、煌は!!!」
もう――
何とでも言ってくれ。
「少しだからな!!! 本当に少しだけだぞ!!?」
勝ち誇った"どや顔"芹霞に、俺は涙目で睨みつける。
だけど電車内でも、繋いだ手は離さない。
櫂の家に帰ったらきっと――
俺はボコボコにされるのだろう。
最近緋狭姉との鍛錬のおかげか、キレるのを抑えるようになった桜でさえ、氷皇へのストレスは相当なはずだから…ああ、過去最大の爆発となって俺に襲い掛かってくるだろう。
その情景をありありと思い浮かべることが出来るのが、悲しいけれど。
大丈夫かな、俺。
生きていられるよな、俺。