シンデレラに玻璃の星冠をⅠ
気配が動く。
「制裁者(アリス)か!!!」
一歩前に出した足を軸にして、俺は後方へ…宙に翻る。
宙で真横に握り直した偃月刀は、真横一文字にて制裁者(アリス)の背中を切りつけた。
その身体を足で蹴り飛ばしながら、小猿に向かおうとしていた2人の制裁者(アリス)を肘で順に、地に沈め…背骨を折った。
弱い。
№持ちではないらしい。
「小猿、行くぞ!!! 櫂達を守らないと…」
小猿がいなければ、俺はまた吐きまくっているのだろう。
ここは何としてでも、小猿についてきて貰わねば。
「げげげッッ!!! この気配…《妖魔》!!!?」
《妖魔》?
小猿が指差した処からは、姿は見えないが…瘴気が濃い。
小猿は…瘴気は感じ取れるのか。
「あそこか!!?」
姿が見えない場所に偃月刀を振り回して効果があるかは判らないけれど。
「無理無理、ワンコッッ!!! 《妖魔》は…対《妖魔》武器でないと倒せない!!! お前の刀は、そういう術施してねえ…って、俺の話聞けッッ!!!」
その時俺は、もう瘴気に斬りかかっていて。
偃月刀を振り下ろした瞬間。
「電子基盤!!!?」
青白い光が一瞬見え…それが電子基盤のような気がして。
瘴気が…電子基盤ってどういうことだよ!!?