シンデレラに玻璃の星冠をⅠ
現実逃避。
心が求める処に、飛んでしまっている。
こんなんじゃ駄目だというのに。
だけど――
「櫂?」
やはり、俺は――。
「!!!」
俺は芹霞を、どんと前方に突き飛ばす。
「櫂!!!?」
斜めに傾く芹霞が、驚きの声を放つ。
俺は――
「とうとう来たか…警護団」
その位置に突き出された拳を片腕で払いながら、そのまま低姿勢で懐に入り…肘でその顎を突き上げる。
上方に飛ぶ奇襲者。
まずは1人目。
床に激突しそうな芹霞の肩を、下から掬うようにして、抱き留める。
「間一髪…」
「な、なななな!!!」
そしてそのまま両腕で芹霞を抱き上げながら、後方を蹴り飛ばす。
確かなる衝撃と、壁にぶつかる何かの音。
2人目。
気配が上方で2つあり…見上げると同時に垂直落下する2人の男を、すっと身を引いて躱し、身を捩るようにして腹部に膝を入れた。
3人目。