シンデレラに玻璃の星冠をⅠ


俺は芹霞を立たせ、その前に盾のように立つ。


目の前の姿が消え、俺が構えたと同時に足が襲い掛かる。


片腕で凌げどその衝撃は凄まじく、骨に直接響いてくる。


何だこの速度と強さは。


「芹霞、あの壁の穴の奥に避難しろ!!!」


いつどこでとばっちりが向うか判らない。


芹霞の走る音が聞こえたと同時、男が消える。


「させるかッッ!!!」


宙に身を翻し、逆立ちの要領で、真上から掴んだ男の双肩に、外気功を放つ。

下方に姿勢を崩した隙に、闇の力の刃を、真横から切りつければ…もうそこには男の姿がなく。



芹霞の悲鳴。

座り込んだ芹霞の首に、男の手が伸びる。


俺は闇の力を放つ。


宙に翻る男。


俺は手を真上にあげ、力で男を追尾する。


「こっちにこい、芹霞!!!」


「こ、腰が…」


動けないのか!!!


視界に走る銀の男。


しかしそれは余裕めいた動きで。


「暁の…002は、どう"殺した"んだ?」


悪魔のような声が響く。


どくん。


「女が五体満足ということは…内部か。

急所狙いのあいつなら…


心臓、か?」



どくん。



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