シンデレラに玻璃の星冠をⅠ
「再生する肉体、或いは…"死なない肉体"か?
さすがは…BR001ということか」
櫂の手に闇が纏われる。
判る。
櫂に焦りが見える。
櫂は、玲くんが心配で仕方がないんだ。
後ろでは派手な爆発音が連続している。
玲くん…。
紫茉ちゃん…。
朱貴、頑張って守って。
祈るしかないのが口惜しい。
「あれがBR…001…とは…」
目の前では、桜ちゃんが目を細めていた。
櫂は頷いて、言った。
「ああ。煌の先輩らしい。制裁者(アリス)№1だ」
そして。
「桜。今…保健室では、紅皇が奇襲をかけている。聞こえているだろう、あの爆発音」
「!!!?」
「ねえ、紅皇サンって…櫂達が尊敬する人でしょう? 何で敵なの!!?」
2人は…少しだけ哀れんだ目を向けたが、無視して話し始めた。
「保健室には…私達以外が?」
「居るのは玲と遠坂と朱貴と七瀬。だが玲は…七瀬の力で、夢に沈んでいる。今の玲は…無抵抗な状態だ。あいつの身体を何としても守りたい」
「煌は!!? 皇城翠と…まだ戻ってないんですか!!?」
「ああ。玲に頼まれた。煌を連れてこいと。加えて今この状況。
俺達2人で…玲を守り、煌を探し、此の場を乗り切らねばならない」
あたしは叫ぶ。
「あたしもいるじゃない!!! あたしが煌を探しに行くよ!!!」
櫂は頭を横に振る。
「無理だ。この瘴気の中、更にどの刺客が向けられるか判らない中、お前1人を放てない。ましてや…煌が何処にいるかも判らないのに」
「そんな…じゃああたしはただのお荷物じゃないの!!!」
嫌だ。
そんなの嫌だ!!!