シンデレラに玻璃の星冠をⅠ
だけど――
「……どうした、煌?」
訝る芹霞の前で俺は目を細める。
「視線は――…
あいつらのものじゃない」
舐るようにまだ続く視線は、あの方角じゃない。
俺は顔を空に向けて、その視線の先を走査した。
何処だ。
この…嫌な視線。
そして。
「!!!」
109の建物の上。
そこに小さな人影。
俺は見たんだ。
こちらを見下ろしているその姿。
黄色い外套。
青白い仮面。
俺は目がいいんだ。
見間違えるはずはねえ。
こんな白昼堂々とお出ましかよ。
嫌な汗が流れ落ちる。