シンデレラに玻璃の星冠をⅠ
――玲くん…。
芹霞。
早く"お出かけ"していればよかった。
もっともっと、君に想いをぶつけたかった。
ずっと…一緒にいたかったよ?
僕の傍から、放したくなかったよ?
いつも不安定で揺れ続ける僕は――
君に"永遠"を向けられ、愛し愛されて…
君を手に入れたと"安心"したかった。
僕はきっと、此処を抜け出れる打開策を見つける前に――
狂気の世界に"同化"する。
僕がこの女に拒絶感を覚える度、僕はそれだけで狂っていく。
この女の機嫌を取る度に、僕の心は死んでいく。
そんな気がするんだ。
もう二度と…君には会えない。
僕はもう…君の顔を見れない。
もし現実に還れたとしても、狂った僕は…君の傍には居られない。
もう――
傍に居られないんだ…。
好きなのは…
永遠に…君だけだよ。
それだけは、最後に君に伝えたかったけれど。
君は――居ない。
「さあ…玲さん。私を喜ばせてね?」
くすくす、くすくす。
狂気に満ちた世界が…
ざわついて、喜んだ気がした。