シンデレラに玻璃の星冠をⅠ

「ワ、ワンコ!!! 俺…そういう趣味はねえって…」


「俺だってねえよ!!! "付き合う"とは"協力"の意味だ!!! 

櫂は…お前達を危険に遭わせたくないと遠ざけようとしているけど…だけど、協力して欲しいんだ。朱貴だって…お前言うことなら聞きそうだし」


「……」


「俺だって正直、お前達を巻き込みたくしねえけど…そんな悠長なこと言ってられねえ。お前達が居て、初めて俺達…危機回避出来ている気がする」


「……」


「1日でいいから、頼む。それに俺…お前がいないといけない身体になっちまったし」


「…!!!」


「お前が…必要なんだ」


「!!!?」


切実に訴えたのに、また小猿は壁まで退いた。



「だから、俺そんな趣味ないって!!!」

「あ!!? だから俺だってねえよ!!!」



何だろう、先刻から同じコトばかり。

苛々させるなよ、全く…。



「……桜に…お前のこと褒め千切ってやる」


そう言えば、


「!」


小猿がぴょんと飛び上がった。


「……推してやる」


「!!」


その目がきらきらと期待に輝いた。


「まあ…選ぶのは桜だけど「やる!!! 是非、喜んでやらせて頂きます!!!」



よし。


交渉成立だ。



悪い、桜。


ふんばれ?

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