シンデレラに玻璃の星冠をⅠ

「ま、まあ人によりけりだから。俺より年下の桜だって、仕事以外でラブホ行ったことねえだろうし」


「!!! 葉山が、"らぶほ"で仕事!!!」


「まあ、色々なシチュエーションあるからな。俺より色々な場所知ってるんじゃねえか、あいつ。飛び回っているから」


桜が扱う裏世界には、そうした如何わしい場所も沢山だから。


「!!!! シチュエーション!!!」


がっくりと片膝をついて落とす小猿。


俺、何か変なこと言っただろうか。


そんな時、微かな声が漏れ聞こえた。


「3つ横の部屋だな」


男の…声?

囁くような…か細い声。


怒鳴ってばかりの朱貴にしては、頼りなげな声に違和感を覚えた。



こっそり…該当部屋のドアを開け、覗いて見た。


すると――



「「!!!!!!」」



俺達は、口を開けたまま…固まった。




「紫茉……


もっと俺に縋り、俺を必要としろ」



怪しげで如何わしいベッドの上で、

抱き合いながら唇を合わせる――


朱貴と七瀬が居たから。
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