シンデレラに玻璃の星冠をⅠ
「久涅の力は未知数ということですね、櫂様。だとしたら、やはり…皇城翠の存在は…不安定ながらも、希望になりますね」
桜が言った。
未知数には未知数を。
だが…彼は協力してくれるだろうか。
危険に巻き込むことになるのは、正直心苦しい。
彼らの善意を、利用したくない。
だが…どう考えても、俺達が持ち得る手札は、切り抜ける為には弱い。
戦力が次々に削がれているんだ。
狙ったように――。
――約束、して欲しいんだ。
俺だって…出来るなら、それは最後の切り札にしたい。
もがいてもがいてもがき抜いて。
それでも駄目な時の為のものにしたいんだ。
なあ、玲。
ちらりと横目で見る玲の顔は、少し苦しげで。
芹霞が手を握ってずっと見ている。
――約束、して欲しいんだ。
それが…現実となったら。
きっと芹霞は――。
俺はそれを消すように頭を振り、考えねばならぬことを考える。
揺れるな。
不安になれば利用される。