シンデレラに玻璃の星冠をⅠ
・別離 桜Side
桜Side
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私は慌てて学園長室に飛び込んだ。
「煌!!! 直ぐに此処を発つぞ!!!?」
そう叫びながら入った部屋は、一面眩しい金色で…
中では…修羅場だった。
「ミスコンで、どうして私が勝者じゃないの!!?」
「酷い、私…初めてを捧げたのに!!!」
「あの女…桜華生じゃないじゃない!!!」
女が、イボガエルの学園長を取り囲み、思い思いに詰り倒していた。
しかし私が気になったのは、そんな光景よりも――この部屋の様子で。
理事長室にはあれだけの物理的被害があったのに、隣室のこの部屋には、不可思議なくらい損害がない。
反対ならまだ分かる。
しかし――
何故、氷皇の領域は損害があって、世俗に塗れた此処は無事だ?
まるでそれは仕向けられたかのよう。
絶対不可侵の領域だけが損傷を受けている事実。
そこから導かれるものは――
理事長室を崩そうとしているのは、主ではないかということ。
緋狭さんも神崎家を燃やした。
ならば――氷皇もその領域を消そうとしているのではないだろうか。
そしてその氷皇からの依頼を受けた計都という謎めいた男が、意味あり気な言葉残して部屋から消えられたのも納得がいく。
必要がなくなった。
そういうことか。
私達に桜華の舞台は必要なく、次ステージに進めということなのか。
――あははははは~
いつも嘘臭い笑い響かせて直接乗り込んでくる彼にしては、お節介すぎる程の押し出しのようにも思えるけれど、所詮私達は…氷皇の手の内にあるのか。
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私は慌てて学園長室に飛び込んだ。
「煌!!! 直ぐに此処を発つぞ!!!?」
そう叫びながら入った部屋は、一面眩しい金色で…
中では…修羅場だった。
「ミスコンで、どうして私が勝者じゃないの!!?」
「酷い、私…初めてを捧げたのに!!!」
「あの女…桜華生じゃないじゃない!!!」
女が、イボガエルの学園長を取り囲み、思い思いに詰り倒していた。
しかし私が気になったのは、そんな光景よりも――この部屋の様子で。
理事長室にはあれだけの物理的被害があったのに、隣室のこの部屋には、不可思議なくらい損害がない。
反対ならまだ分かる。
しかし――
何故、氷皇の領域は損害があって、世俗に塗れた此処は無事だ?
まるでそれは仕向けられたかのよう。
絶対不可侵の領域だけが損傷を受けている事実。
そこから導かれるものは――
理事長室を崩そうとしているのは、主ではないかということ。
緋狭さんも神崎家を燃やした。
ならば――氷皇もその領域を消そうとしているのではないだろうか。
そしてその氷皇からの依頼を受けた計都という謎めいた男が、意味あり気な言葉残して部屋から消えられたのも納得がいく。
必要がなくなった。
そういうことか。
私達に桜華の舞台は必要なく、次ステージに進めということなのか。
――あははははは~
いつも嘘臭い笑い響かせて直接乗り込んでくる彼にしては、お節介すぎる程の押し出しのようにも思えるけれど、所詮私達は…氷皇の手の内にあるのか。