シンデレラに玻璃の星冠をⅠ


「謀反?」


全員が目を細めた。



「言うなれば、お前の父親…紫堂財閥現当主に、元老院を貶(おとし)める怪しい動きがある」


「親父に?」


それは意外というべき表情。



「そこで、その息子で次期当主たるお前の"監視"が元老院で決定した。お前の動き如何によっては、紫堂は元老院が潰す」


「な!!?」


「元老院の1人である俺を拒むというのなら、俺は元老院に報告せねばならんなあ? "次期当主にも疑いあり"」


「汚ねえぞ、氷皇!!!」


くつくつくつ。


青い男は何処までも非情に笑う。


「いいか、これは遊びじゃない。お前達に関わっているアカまでも、動きを制限されている。今はまだ、俺の力で何とかなっているがな」


漆黒の少年は、ゆっくりと…低い声を出した。


射竦めるような、怜悧な瞳を向けて。


「最近の…必要以上の2人の"付回し"は、俺達の動きを見張っていたのだと?」


青い男は口角の端を吊り上げ、一段と酷薄な笑みで持ってそれを肯定する。


「さあ、決めろ、紫堂櫂。紫堂の次期当主として、五皇であり元老院たる俺の言葉を受けるか否か。それによって…お前も紫堂も…そこにいるお前の仲間の処遇も変わる。

さあ…此処からは――


夢から醒めた…


シビアな現実だ」




そう――笑った。
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