シンデレラに玻璃の星冠をⅠ
 
「いい気味だよ、はははは!!!

奪われる者の苦しみを味わえよ!!

そして絶望にのちうち苦しめ!!!!


お前なんて救う奴はいない。

お前は一人だ、永遠に!!!


此処で――

醜くく朽ち果てれよ!!!」


笑う。


笑う。


玲くんは笑う。


それは優しい玲くんの面影は何処にもなく。


ただ櫂に嫉妬して憎悪した、ただの狂気の塊。


此処が玲くんの心の世界なのだとしたら。


何て哀しい…。


「俺は……」


暫く画面を見ていた櫂は…押し黙ってしまった。


玲くんが笑う度、櫂から温度が消えているような気がした。


――芹霞ちゃあああん!!!


泣いている。


傷ついている。


玲くんの言葉は…嘘だ偽りだと片付けられない程、櫂の心を蝕んだんだ。


それだけの、"思い当たり"があったんだろう、櫂には。


玲くんを大切にしていた影には、多少なりとも罪悪感が付きまとっていたんだ。


そこを突かれて…平気でいられるような櫂ではないんだ。

櫂は無慈悲でも無感情でもない。


昔のような優しい心を、まだ内包しているから。


だから皆、櫂が好きなんだ。


ねえ、玲くん。


玲くんだってそうでしょう?


傷つけられたことがあったのかもしれない。


だけど、それだけじゃないでしょう?

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