シンデレラに玻璃の星冠をⅠ
「やめろ、母さんッッ……!!!」
「これは母親じゃねえ!!! お前が恐れる"狂気"だッッ!!!」
「違う、"愛"だ!!!」
「何処が"愛"だッッ!!! お前…こいつによって"愛"に飢えてたんだろうが!!! 事実を歪ませるなッッ!!!」
「知ったような口利くなッッ!!!! 母さん…"僕"は母さんまで失うわけにはッッ!!! あああああ!!!」
苛立ったような声を吐き捨てる玲の体から、四方八方に青い光が乱れ飛ぶ。
「煌、避けろ!!!」
しかし煌は動かず…
「"母さんまで"って何だよ、玲。
視界を曇らせているんじゃねえよッッ!!!」
青い光は1つに絞られる。
煌に向けられる青い光。
「如月、逃げろッッ!!!」
「玲…この…クソッタレがッッ!!!
消せば全てが解決するとでも思ってるのかよッッッ!!!」
煌は偃月刀を捨てて、両手を前に突きだした。
「煌!!? 早く逃げてッッッ!!!」
そして――
「炎の…絶対防御壁(ファイアーウォール)ッッ!!!」
そして横に大きく広げた煌の手から…轟々と燃えさかる炎が横一面に拡がり、壁を作ったんだ。
これは…緋狭さんの持つ…。
――あれは全て、お前自身の力だ。
ああ――
煌が炎を使えるのは、緋狭さんの腕環のせいではない。
緋狭さんが言った通り…
煌自身の力なんだ。