シンデレラに玻璃の星冠をⅠ
「なあ、櫂。お前が居て闇が晴れねえのは、玲が"エディター"と繋がった世界にいるからかも知れない。少なからず…こっちにも影響は出てくるだろうよ」
煌の声に俺は舌打ちした。
煌が…荒い呼吸をしているのが、肩の動きで判る。
この世界は…力を操る精神力と体力の消耗速度が極端に速いんだ。
ましてや…狂気という名の濃い瘴気に充てられ続ければ、闇慣れした俺でさえ…正直きつい。
ここは玲の領域。
このままだと――
異分子たる俺は…弾かれるのも時間の問題になる。
だとすれば玲はどうなる?
「玲くんッッ、戻ってきて!!!」
「師匠ッッ!!!」
「黙れよッッ!!!」
力を増す青い光。
全てを滅ぼそうと…力は威力を増す。
ああ、玲の領域では…俺の力は無力なのか。
だけど――
諦めるわけにはいかないんだ。
俺が滅んで済む話じゃない。
それだけでは…玲は救済されない!!!
どんな玲でも、玲の名残があるものであるならば。
黒く染まったままの玲を見捨てることは出来ない!!!
「玲!!! こんなことしたいわけじゃないだろう!!!?
もっと…現実の俺達を見てみろッッ!!!」
俺は叫んだ。
「誰がお前を嫌っているんだよ、馬鹿にしてるんだよ、玲!!!
俺達の絆を信じてくれッッ!!!
勝手に孤独に浸るなッッッ!!!」
しかし――
ますます、青い光は強大になる。
闇が…膨れ上がる。
「言っただろう、俺が!!!
どんな時でもお前を狂わせないと!!!
俺を…俺達を信じろ、
信じてくれよッッ!!!
玲――…!!!」
届けッッッ!!!
玲の心に――!!!