シンデレラに玻璃の星冠をⅠ







「私の王子様。さあ…夢の世界に連れて行って? そうしたら、従弟もあの女も…助かるわよ?」




女は僕に馬乗りになるようにして跨がり、


僕の手を…盛り上がった胸に添えて――


自分で下着を取り払った。




「さあ――悦ばせて?」






その時――




「玲に触れるな、変態女ッッ!!!」



何かの刃物が僕の頭上を掠め、女の長い髪を薙ぎ払った。


そして真上に…橙色。


「こ、煌…??」



これは――幻覚?



「よう、玲。


遅くなったな。


連れてきたぞ、お前の大切な奴ら」


いつものように、朗らかな笑顔を見せる煌の姿は、現実のもののように思えるけれど。
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