シンデレラに玻璃の星冠をⅠ
 
「玲くん!!?」

「師匠!!?」


「櫂。…良いな?」


そして櫂も頷いた。



「煌、追いかけてこいよ、すぐ」


「きっと俺の方が先に戻っているって。ほらほら、お前達こそちゃんと急いで抜けろよ。玲が元に戻ったんだから、迷わせるものはないはずだけれどさ、道草しねえでさっさと歩けよ!!?」


「煌、地上で…会おうな?」


本当に心配性だ、櫂は。


「ああ。じゃあ七瀬、始めようぜ?」


遠ざかる音。

向けられる視線。


『煌……』


「お前まで何だよ、俺じゃ不服かよ?」



『いやそうじゃなく…。


お前の…肉体の――

生体反応が…弱いのは何故だ?

リンクが…薄すぎるのは』



俺は――

こくんと唾を飲み込んだ。


こいつ、そこまで読み取れるのか?


――……くん。どっち助けたい?


「んなこと知らねえよ!!! ああもう、辛気臭ぇこと言うな!!! 反応が例え弱くても、死んでねえから!!!」


――多分。

俺は…言葉を飲み込んだ。

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