シンデレラに玻璃の星冠をⅠ
「紫堂って…Mの集まりだよね~。そこまで紫堂櫂が大切?」
「お前に…言う筋合いはない」
「あらあら、葉山ちゃんクール!! 早く帰ってくればいいねえ、"櫂様"。帰ってくるまで、葉山ちゃんの骨という骨、折られていくからねえ…」
構わない。
それで…
煌の肉体にトドメを刺さずにいてくれるのなら。
私は、煌に託したんだ。
だから、耐え抜く自信はある。
それを見て取った周涅は…にやりと笑った。
「周涅ちゃんも、あまりの葉山ちゃんのMっぷりに火つけられちゃった。じゃあ今から30分置きに、君の肋骨折るからね~」
「はああ!!?」
「いいんだよ、嫌だったら。櫂様達やオレンジワンちゃん残してさようなら~。全然構わないし。元々…退屈凌ぎなんだし」
ふわあと、周涅は大きな欠伸をした。
何処までも――
氷皇のような、非情な男。
人の嫌がる言動で、煽るだけ煽って…征服することに悦びを見出す。
私は――
「判った…。受ける…」
そう答える選択肢しかない。
この領域では…私は、私達は…至って無力すぎる存在で、領域主に全てを委ねるしか、術はないのだ。