シンデレラに玻璃の星冠をⅠ

「あらあらあら~。出てきちゃったの? 久涅ちゃん。折角選取り見取りの可愛い女の子達つけてあげたのにさ~」

「お前が手のつけた女なんか、寄越すな。俺はお前と"兄弟"なんぞならんわ。女はいらんから、俺にも玩具を寄越せ」


ああ、久涅と周涅は…

既に繋がっていたのか!!!


久涅が此処に居るならば。


仮に櫂様が帰られたとしても。


ああ、周涅と久涅を相手にして。


煌と私がこんな…足手纏いにもなりかねる状態で。


だけど、玲様が居れば。


玲様さえ、櫂様を横須賀港に連れてくれれば…。



久涅は、煌の姿を目にしてそちらに足を進めた。



"玩具を寄越せ"



駄目だ。


嫌な予感がする。



私はずるずると這うようにそちらに向かう。



やはり――



「――ふんッッ!!!」



久涅は――

口にしていた煙草を煌の腕に落とし、

そのまま足でぐりぐりと力を入れて消した。



折れて変色している部分を、念入りと。




「やめろ、やめろッッ!!!」



私は叫んで、久涅の足にしがみついた。



「喚くな、蛆虫」


久涅は残忍に笑い、私の…折れた肋骨部分を蹴り飛ばす。



「あ…がっ!!!」


口から吹き出る血。
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